カラープランナー
新谷 史子 (しんたに ふみこ)


昭和46年1月20日生まれ。苫小牧市出身。
札幌大谷短期大学美術科デザインコース卒業。
卒業後は公立中学の教諭に。退職後、日本工学院北海道専門学校建築科へ入学、卒業後同校の講師に就く。
作品を発表する後、デザインの仕事を受けるように。
短大時代、色彩学を受講したことをきっかけに、その後も勉強を続ける。
現在は、景観の中で色の大切さから建物の色彩設計などを行っている。
A・F・T認定色彩講師、1級色彩コーディネーター、日本色彩研究所認定色彩指導者・色彩管理士など多数の資格を持つ。

新谷さんホームページ(製作中)
http://www.miss-color.com/
メールアドレス
color_musee@ybb.ne.jp

 


「講師の仕事をしている様子。資料を使いながらこんな感じで講義をしています。色の勉強している学生は結構多いんですよ。」



「実際に作業をするときは、様々な種類の色見本を使い、微妙な色の違いなど比較してデザインをしています。」


短大時代に興味をもった、ガウディの代表作「サグラダ・ファミリア」。スペインの街並みはこんな色味。土地ごとに色彩の違いがあります。

 

気になるカバンの中身

めがね
「視力は良いんですが、紫外線を日々防止するように使っています。 外の光だけでなくパソコンからも紫外線が出ているんですよ。」
塗装見本
「メーカーからもらったものを自分でまとめています。 気になった塗装があったら、どんなものを使っているのかなと比べてみたりします。」
色見本
「仕事で使うものです。 これは持ち歩き用なのですが、家にはもっと大きなものも色々あります。」
財布
「10年以上使ってます。 外側はきれいなんですが内側は結構ボロボロになってしまって(笑)」
名刺入れ
「ブランドというよりは、色合いがアクセント。 長く使うものはシンプルでなじむもの、人目を引きたいものは主張する色を選びます。」
色彩の本
「色のきっかけになった本です。 最初は色彩のことがすごくわかりにくくて、色彩学を学んでいた学生の頃持ち歩いていたんです。」
バックナンバー

【今回のテーマ】
好きなことを仕事にするということ

「朝までプランニングや次の営業のための準備があったとしても、好きな事の延長なので苦しくはありません」

中学校美術教諭を経て建築について学び、色彩の講師として教壇に立つかたわら、建築リフォーム時の内外装の色を設計するカラープランナーとして活躍。北海道ではまだ馴染みの薄いこの分野で、どのように活動の場を広げていったのか。

 

人生のキーワードになった「色」

わたしが色彩に興味を持ったきっかけは中学1年生の美術の時間、たまたま教えてくれた体育の先生の授業がとても楽しくて印象的だったんです。
もともと小さい頃から絵を描くことが好きで、夢中になると朝まで描き続けることもよくありました。手についた絵の具が落ちきらないまま学校へ行くようなこともしょっちゅう。地元の苫小牧から札幌へ買い物に行くときには、めずらしい色の絵の具を買ってもらうのがとても楽しみでした。
絵を描くことが好きだったことと、将来先生になりたいという夢を持って美術の短大へ進学しました。卒業後は夢が叶って地元で美術教諭に。「さあ、これからだ」と思っているところでした。

ところが、実際の教員生活は大変で、教えるということは想像以上に難しかった。特に色については苦労しました。例えば絵に色を塗るとき、作る色がにごってしまう生徒がいるんです。それが単なる技術的な問題なのか、それともその子のなかで何か特別な原因があるのか、見極めるのは困難なんですね。わたしはそのとき、改めて「色」というものの難しさと奥深さを実感し、これをきっかけに色についてもう一度勉強を始めたんです。これが人生のキーワードになりました。

 

困難がやりたいことへの思いを強める

病気で体調を崩し5年で教員を退職することにしました。その間どうしようかと考えていたときに、短大時代に見たガウディの建造物に興味を持っていたことがあり、建築を学んでみようと思いました。2年間通っていた学校では、18歳の学生に混ざって25歳のわたしが勉強していました(笑)。真剣でしたよ。服用していた薬の副作用で冷や汗や動悸の症状があり、ボーっとするのでバスでも電車でも勉強。卒業後も、自主的に取得した色彩の資格を生かして学校の講師をしたり、仕事の後の最終便で東京へ講座を受けに行ったりして、色彩の勉強を続けていました。

そのかいもあって、建築と色彩の知識を強みにカラープランナーとして営業を始めました。色を仕事にしていると言うと、華やかに見えるかもしれませんが、実際は日々色を測ってはデータを収集、分析という地味な作業に支えられています。営業に持ち込む色のシミュレーションにも時間を費やします。朝までプランニングや次の営業のための準備があったとしても、好きな事の延長なので苦しくはありません。しかし、自分の足で企業にプレゼンテーションを持ちかけても、初めは取り合ってもらえず、苦労しました。北海道ではまだフリーランスとしてはまだ少ない職業なので、なかなか話を聞いてくれる会社も少なくて大変でしたね。特に、わたしは大人を相手に話をするのがすごく苦手なんです。でも、緊張している場合じゃないんですよ。だって営業をしないことには仕事になりませんからね。失敗やうまくいかない仕事もたくさんあります。失敗から学ぶことは多いですね。でも、悩む時間はもったいないので、次に生かすためにすぐ原因分析を始めます。それでも悩んでしまったら、エアロバイクに乗ってリフレッシュ(笑)。すると「次はああしよう、こうしよう」ということが浮かんでくるんです。

そうして、苦労や失敗を乗り越えて、提案したプランが採用されたときには、本当にやりがいと喜びを感じます。うれしいですね。自分の体調、さらに両親の病気、また仕事の厳しさなど、様々な困難にぶつかったことで、やりたいことへの思いが一層強くなりました。

 

北海道でカラープランナーの重要性を広めたい

色は定規のように計測することができ、研究所などの心理的なデータもあります。そのようなデータをもとにプランを立てるのですが、わたしが心がけているのは、一時の目立ちよりも、際立ち感や心地良さというものを長い年月において維持できる設計です。物理的であり心理的な側面も持ち合わせているというのが色の特性です。


最近は、自分一人で仕事をこなしていくのが大変になってきたので、将来的に色々と考えているところです。
カラープランナーとして今後仕事を広げて行くためには、知るべきことがまだまだたくさんあります。プロとして当然ですが、お客様からの質問に答えられないことがあっては困ります。だからこそ、勉強し続けることが必要です。もちろん理論だけでなく、五感や感性も磨いて。好き嫌いに依存されがちな色の世界ですが、クライアントの要求を敏感にキャッチし、流行色や景観条例を考えながら調節していくことも大切。

フリーで仕事を得るということは、中途半端な努力ではやっていけません。身を削ってでも、自分の納得のいく仕事をする。自分を成長させるためには、つねに意識を持ち続けることがとても重要。

今の業界は、好きで色の勉強をしてもなかなか仕事に結びつきづらいという現実があります。わたしは、色が好きな人にどんどん活躍してもらえるように、色彩の楽しさや重要性を伝えていきたいと思っています。わたしも今はフリーで活動していますが、もともとは職場に所属して色の仕事を兼務していました。どのような環境でも、まずはそこでできる色の仕事をきっちりやることが重要だと思います。色は身近なものですから、勉強の機会は常にあります。

今は、道外の仕事も受けることが多くなってきたのですが、せっかく四季の美しさを感じられる北海道にいるので、もっとカラープランナーが道内で必要とされるように、今後も積極的に行動していくつもりです。

 

今回のキーワード

「自分の納得のいく仕事をする。自分を成長させるためには、つねに意識を持ち続けることがとても重要」

 

 

私のお気に入り

■ライカのデジカメ

「カメラ自体は父から譲り受けたものです。皮のケースは最近購入しました。お気に入りです。」

■目薬

「仕事柄、目が疲れるので、眼科でも使うような成分が入っているこのブランドの目薬を使っています。」

■ハスカップティ
「ハスカップは目にいいんですよ。疲れたときはリフレッシュできます。香りも良くおいしいんですよ。」

 

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