イタリアンシェフ
清水 則之(しみず のりゆき)


1965年12月9日生まれ。上富良野町出身。
札幌光塩学園を卒業後、札幌市内の割烹に勤務するが、20歳でイタリアンの料理人に転進。レストランやホテルで修行を重ね、1993年、ホテルクラビーサッポロの開業と同時に入社。2007年、同ホテル料理長に就任。

 


「イル・モメントの厨房を守る仲間たち」

 

気になるカバンの中身

ニンテンドーDS
「遊ぶというよりも、脳トレが目的みたいな感じですね、近頃は。」
グルメガイド
「少しでも時間が空いたら、新しい店や話題の店へすぐに行けるよう、日頃から情報収集はしっかりやっています。」
マッチ棒クイズ
「子どもと一緒に解いていくんですが、気を抜くと負けちゃうときも(笑)」
ノート
「料理のことで思いついたアイデアは、すぐにノートに書きとめています。」
専門誌
「この本以外に、『日経レストラン』も定期購読しています。」
ビニール袋
「散歩の途中などに拾った落ち葉や木の実を入れるためのもの。紅葉を一枚、きれいに洗ってお皿に添えたら、お客さまがとても喜んでくださいました。」
シェーバー
「いつでもお客さまの前に出られるよう、調理場や車の中でもシェーバーを置いています。」
バックナンバー

【今回のテーマ】
仕事に新鮮さを見出すには

今年4月にオープン以来、多くの食通を魅了している「リストランテ イル・モメント」。ここを切り盛りする清水則之料理長は、自らが納得しない料理は、たとえパスタ一皿でも絶対に提供しないという信念の持ち主。料理一筋20余年の清水さんに、いつも新鮮な気持ちで仕事に取り組むための心の持ちようを伺いました。

感謝の気持ちが、人を前向きにさせる。

ここ数年、生産者の方とお会いする機会が増えました。そのたびに、自然への感謝を忘れず、手間を惜しまずに良質な農作物を作ろうとしている皆さんの熱意に圧倒されています。そして、僕たちだけで料理を作っているわけじゃないんだと心を新たにしています。

リレーにたとえるなら、料理人はアンカー。生産者の皆さんが作ってくれた最高の素材というバトンを受け取り、それを最高の料理にまとめあげて、ゴールで待つお客さまにお届けしなければなりません。ですから、食材の置き方ひとつ、茹で方ひとつ、すべての工程に手は抜けないんです。食材の力を、情熱を込めた料理でお客さまにお伝えすることが、生産者の方に対する感謝の表れでもありますから。

僕が新人を面接するときに必ず質問するのは「これまでの人生は恵まれていたか、そうでないか」です。感謝の気持ちを持って生きてきた人は、必ずといっていいほど自分は恵まれていると答えます。本音をいえば、誰だって、人生は楽しいことばかりじゃありませんよね。むしろ、8割は辛い状況に身を置いているようなもので。それでも「自分は恵まれている」と言えるのは、感謝することを大切にして、それを馬力にして前向きに生きてきたからじゃないかと。感謝の気持は仕事にも大事な素養で、それを持っていれば、8割が辛くても楽しみを見出だせると思います。

 

楽しいと思えば、どんなことでも楽しくなる。

実は、僕、ドラマの『前略おふくろ様』が好きで、包丁1本で勝負する世界に憧れて料理人を目指したんです(笑)。だから、最初に勤めたのは和食の店。想像以上に、職場はそれはもう厳しい縦社会でした。若さゆえの怠け心も先輩はすべてお見通しで、鍋磨きの手を抜いた瞬間、平手がバチーンと飛んできて(笑)。朝から晩まで、怒鳴られっぱなしでしたね。

食材に触れられるとしても、玉ねぎの皮剥きや魚をおろす練習がほとんどでしたが、“今やっていることは絶対に役に立つ”と思い、仕事に取り組んでいました。ところが、ある日、長期の入院が必要な病気にかかってしまい、辞めざるをえなくなりました。まさに弱り目に祟り目の状況。自分には料理以外に何かできることがあるんだろうかと、そうとう悩みましたね。

僕は意外とノミの心臓で、時には眠れなくなるほどへこんじゃうんです。そんなときの対症法ですか? 僕は敢えて、笑顔でいよう、とにかく笑顔でいようとしますね。そして、どんなに辛いことでも、自分のいいように捉えて、楽しい、楽しい、と思いこませていく。すると、不思議なものでやがて楽しくなってくるんです。病気が快復した後、友人にイタリアンレストランの働き口を紹介してもらえたり、人生の節目で周りの人にあれこれ助けられたりしたのも、そうして生まれた笑顔のおかげかもしれません。

 

“もっと知りたい”が、成長のきっかけに。

僕が変わったのは、27歳の頃です。具体的には、ホテル クラビー サッポロの前料理長・貫田桂一さんから、ホテル開業時にオープンするレストランを、準備の段階から手伝ってほしいと声をかけていただいたときですね。貫田さんは道産食材の力を最大限に引き出してダイレクトにお客さまに伝える、いわばイタリアンに近いフレンチを作ろうと考えていました。これは貫田さんのもとで料理を学べるチャンス。そんなフレンチが知りたい!と、強く思ったのがきっかけです。

それ以来、ふだんから料理のことばかり考えるようになり、もっと知りたい、もっと知りたいと、貪欲さが湧き上がってきました。皿の上で旬を表現するために花や木の本を読むなど、新しい世界にも目が向き始め、知りたいことが次々と出てきました。北海道は食材が豊富で、何より僕は北海道が好きなので、北海道のイタリアンは“うまい”ということを、今後は広めたいですね。

仕事に行き詰まっても、もっと知りたい、もっと変わりたいという気持ちがあれば、人は絶対に変わり、成長していけるんです。僕だってそうだった。ただ、大切なことは、3年後、5年後の目標を立てること。そうすれば、その目標に向かって、いま何をすべきか、何を学ぶべきかが見えてきます。そして、辛いときも感謝と笑顔を忘れずにいれば、道は必ず開ける。僕はそう思います。

 

今回のキーワード

「人は、絶対に変われる」

 

 

私のお気に入り

■包丁

「この包丁ケースには、20本以上の包丁が入ってるんじゃないかな?素材、硬さ、研ぎ具合などを吟味して、自分に合うものをちょこちょこ買い足してきたんです。左の薄刃は20年以上、右の柳刃は15年くらい使っています。」

 

お知らせ

リストランテ イル・モメント「Christmas Dinner 2008」

■料金:予約制おひとり様 13,000円
※おひとり様18,000円のコースもございます
■期間:12/22(月)⇒12/25(木)
■時間:17:00〜22:00(ラストオーダー21:30)
■メニュー:
食前酒
出会いの一皿
雅やかな海の貴婦人、増毛産ボタンエビとキャビアの花畑
石狩産あん肝のラム酒風味、厚岸産カキのモスタルダ
など全12品


「Christmas Dinner 宿泊プラン」
■期間:12/22(月)⇒12/25(木)
■スーペリアステイ:<1日限定5組>
・スーペリアツイン お一人様 21,000円
・スーペリアダブル お一人様 20,000円
■デラックスステイ:<1日限定各2組>
・デラックスツイン お一人様 25,000円
・デラックスダブル お一人様 22,000円
※各1泊朝食+クリスマスディナー+特典付き
※料理内容のアップもできます。お一人様5,000円(税サ込)
詳しくはお問い合わせください。


「Midnight Dinner」
<1日限定各5組>
■時間:22:00〜24:00(ラストオーダー 23:00)
■メニュー:
アンティパストミスト
おすすめパスタ
フォルマッジョ
ドルチェ盛り合わせ
☆ハーフスプマンテ付き(お二人に1本)

予約制おひとり様 6,000円

ご予約・お問い合わせは 011-242-1111 ホテルクラビーサッポロ
イル・モメント ホームページ
http://ilmomento.jp/


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