創成イーストをはぐくむ人

サッポロ不動産開発・永井（以下、永井）：Sweet Lady Janeさんとサッポロファクトリーは、北３条通を挟んでお向かい同士です。お店の外観も店内も外国のような雰囲気のデザインで、アメリカンスタイルの洋菓子店ですね。
今日は馬越さんがパティシエになられた経緯や、創成イーストエリアについてのお話しをお聞きしたいです。

馬越さん（以下、敬称略）：私は東京のフレンチ洋菓子店で修業を始めて、その後、アメリカに渡り、パティシエの修行をして、1996年に札幌の東区で創業しました。
東京での修行は、先輩パティシエの技術や味を盗みとるような職人世界の勉強スタイルでした。
鍋洗いから始まって、先輩たちがカスタードを作るときに何を入れているのか見て覚えたり、ホイップの余りを持ち帰って家で練習したり。東京での修行時代は大変でした。

その後、アメリカで人を笑顔にするような素晴らしいデコレーションケーキにたくさん出会って、パティシエはものすごくクリエイティブな職業だと実感しました。



馬越：東区からお店を移転しようと考えていたときに、現在の場所を見つけました。サッポロファクトリーも近くにあるし面白い場所になりそうだと思って、創成イーストエリアに移って来ました。

アメリカの国旗をお店の前に出しているせいか、アメリカから観光にこられた方が立ち寄ってくれます。「サッポロビール園からサッポロファクトリーに向かうバスの窓から見えた」と言って、ジンギスカンを食べた後にお店に来られるお客さんもいますよ。







永井：馬越さんは、1906年（明治39）札幌（サッポロ）、日本（ヱビス）、大阪（アサヒ）3社が合同して設立された大日本麦酒株式会社、初代社長・馬越恭平（まこし　きょうへい）様のひ孫さんだとお聞きしました。
お父様　馬越泰禄朗（まこし　たいろくろう）様もサッポロビールにお勤めでいらっしゃったんですね。

馬越：そうなんです。父は、ビールの酵母をパウダーにしたものを家に持ち帰って来ていました。ご飯にパウダーをかけて食べていたのを思い出して、クッキーに練り込んで作ったことがあります。香ばしさが出てきて美味しくなるんです。
今は酵母パウダーが手に入りにくくなってしまったので、作っていません。

創成イーストの思い出は、お店が入居している岩佐ビル周辺で有志のおまつりを開いたことです。
私はハーモニカの演奏をしました。洋菓子を作る合間に練習しているんです。お店で演奏したり、同じビルにある小劇場BLOCHの前座で演奏したり、創成イーストエリアのレストランでユニット演奏をしたり。
ここは音楽や演劇に親しんでいる人がたくさん集まるエリアだと感じるので、洋菓子とハーモニカで創成イーストエリアをもっと盛り上げていきたいですね。

お店のケーキやクッキーは全て手作り。創作デコレーションケーキが得意なので、お誕生日や記念日、お祝い、プレゼントの御用命があれば、ぜひ声をかけてください。
見た目も味も、みんな笑顔になるケーキを作りますよ！







馬越さんがひとつひとつ手作りした懐かしさと暖かさを感じるSweet Lady Janeのケーキ。アメリカの国旗がはためく外国風の店構えをしたお店を見つけたら、ぜひお店をのぞいてみてくださいね。